Notificationとトラックバック
トラックバックには「通知」の意味があります。 トラックバックは突然、勝手に送られてくるものです。 よって、トラバ送信の際、事前/事後のコメント連絡は不要です。
~ Happy? Happy!さんより引用 ~
でも大事なこと忘れていない?
「トラックバック貼り付けてくれてありがとう」ではなく、「貼り付けてもいいですか?」というコメントなりメールなりを、ブログ管理人に連絡すべきではないのかしら。
連絡は必要ありません。
反対意見に耳を貸すことも、「大事なこと」ですよ?
~ むだづかいにっき♂さんより引用 ~
トラックバックは言及(リンク)した事を通知するシステムなので、通知した事を通知する必要は一切なく、トラックバックを送る事の報告・許可を求める事は一切不要です。
同意です。 というか、同意するもしないも、トラバの定義が元々そうなっているのだから、反対する意味がないと思います。
~ あれとかこれとか (Lefty)さんより引用 ~
「きちんとあなたに向けて書かれた手紙をDM扱いして捨ててしまうのはもったいないんじゃないの?」と私は思います。
この記事↑では、トラックバックを手紙と置き換えて、「手紙を送りますから読んでください。」との連絡が事前になかったから。という理由で、せっかく届いた手紙を破り捨てるのはもったいないのではないか? と、指摘しておられます。 もっとも、Aさん個人に向けて書かれた特別な手紙を、ダイレクトメールと決めつけて読まずに捨ててしまうのはAさんの勝手ではありますが。 それでAさんが困っても知りませんよ、と。
これと同じく、事前にコメントがなかったから。との理由で、「不快なトラックバックだ!」と決めつけるのは、おかしな話だと思います。
~ S嬢のPC日記さんより引用 ~
さて、トラックバックを打つ相手側の記事に、あらかじめコメントを入れておいた方がいいのでしょうか。
これは、人によってずいぶん考え方の違いがあるようです。
このことをあなたはどう考えますか?
私は、事前のコメントは不要。と考えてます。 確かに、連絡を入れておいたほうが親切だし丁寧だと思いますけど、「絶対に連絡すべき。」 「挨拶しないのは非常識だ!」と、必要を迫る勢いで語られると、「まあまあ、落ち着いて。お茶でもいかが?」と云いながら、湯飲みからお茶が溢れるまで注ぎたくなります。 ……そう、お茶が溢れていることに相手が気づくまで。 いっぱいいっぱいになってるのは湯飲みだけぢゃないってコトに気づいてもらうまで。
もちろん、「事前にコメントしておこう。」 「後でコメントしなきゃ。」と、個々人がそれぞれの判断で報告するのは自由です。 しかし私は、「トラバしていいですか?」または「トラバしました。」などの ひと言コメントは不要だと考えております。 せっかくコメントを残すのなら通知以上、かつ、トラバ連絡以外の内容を書いていただきたいものです。
というワケで、Happy? Happy!さんへ反論トラバを送ります。 きっと、このトラバも削除されるのだろうけど、それは構いません。 不愉快な異論・反論は、すべて除外しちゃってくださいませ♪
ただし、1点だけ管理人・ゆゆさんと意見が同じなのは、「トラバの儀礼的なお礼コメントは不要。」と考えていることでしょうか。
→拙記事「トラバどうもです。」を参照のこと。
【インターネットは、大規模な通信システムです。】
本題に入ります。
またまた、トラバの話です。 「トラバの話は、もうウンザリ。」との声が聞こえてきそうです。 でも、よーく耳を澄ますと、その嘆き声は私自身の心の声だったりもします。(笑)
さて今回は、通信系プログラマ(元)の視点からトラックバックに触れてみたいと思います。
【Notification ~Notify Trap~】
ネットワーク業界には、Notification(通知)という通信プリミティブがあります。
TCP/IP標準のSNMP や OSI勧告のCMIS/CMIP など、遠隔ノード管理のための通信プロトコルで定義されているオペレーション・タイプとして、双方向の Get/Set Operation などの他に、単方向の Notification が用意されてます。
Notification は、自ノードの状態が変更された時や何らかの異常が発生した場合などに、管理ノードへ情報通知するために発報されます。 「Notificationの発行理由は、それだけぢゃないよー。」との、詳しい方からの補足は歓迎します。
一例として、HP(ヒューレット・パッカード)EMS の SNMP Trap を紹介します。→イベント送信プロトコルの選択「SNMP Trapsオプション」
ここでSNMPについて語るつもりはないので、紹介のみに留めておきます。
昔、RFCの原文(英語)を前に、英和辞典と技術資料を交互に見ながら実装仕様を作成していた頃が懐かしいなあ。 「これはプログラマの仕事ぢゃないよねえ?」とか、「でも結局、僕もコレ見てコーディングすることになるんだからマジメに設計しよ。」とか思ったものです。
昔話は置いといて、要するに何を言いたいかというと、「一方的な通知」という伝達方法は、ネットワーク上の取り決め(RFC)にて了承を得て、実装・運用されている話なので、Notification と同様、事前に断りもなくトラックバックを送りつけるのは当然のことです。 トラックバックには「通知」の役割もあるのですから。
【トラックバックとは?】
~ TrackBackとは(はてなダイアリー)より引用 ~
他の記事にその記事を話題にした記事のURLと概要を通知する機能、またその通知形式をさだめた枠組み。
この通知する行為をトラックバックする、トラックバックを送るという。
~ トラックバック(IT用語辞典)より引用 ~
トラックバックはリンク元サイトに「このような記事からリンクを張った」という情報を通知する仕組みで、リンク元記事のURLやタイトル、内容の要約などが送信される。
~ トラックバック技術仕様書より引用 ~
トラックバック ping は「リソース A は リソース B に関連/リンクしています」という内容を通知するリクエストです。
上記3ヶ所から引用しました。 これらの説明から、トラックバックが「通知」の機能を持つことが分かると思います。
ここで、誤解のないように書いておくと、トラックバックの仕様が「一方的な通知」で良しとすることに何ら異論はありません。 ただし、トラバを送信してきた記事が自分のエントリ内容と関係なかったり参照リンクがなかったりする「一方的なトラックバック」には反対の立場ですので、お間違いのないよう。 仕組みとしての単方向性と、記事内容が一方的であることは、論点が異なります。
本エントリでは、「通信の "Notification" と、ブログのトラックバック仕様は似てるよね?」という話をしています。
「そんなRFCやらプロトコルやら小難しいネットワークの仕組みなんか知らないよ!」と思ったアナタ、あなたが今利用しているインターネットも、多くの細かな取り決めや技術仕様の積み重ねの上に成り立っているのですよ。
知らなくてもつながる、便利なインターネット。 知らないからこそ言える意見や苦情や文句。 訳知り顔で黙ってニヤニヤする人達。 事情を説明しようとする人達。 主張と主張のぶつかり合い。 日々増加するブログの中で、ひっそり閉鎖し消えゆくサイト。 素朴な意見を書いたら削除されるブログ,反論トラバを排除するブログ,独善的なブログ,記事が面白いブログ,コメント欄が楽しいブログ。 いろいろあっていい。
「ネットは混沌としているなあ。」と、ブログ界の端っこで呟いてみる。
だからこそ、面白い。
・・・
最後に、トラックバックについて分かりやすく説明されている記事をご紹介します。
初めてのトラックバック (S嬢のPC日記さん)
この記事↑は、ブログ初心者の方だけでなく、ブログ歴1年2年の方々にも読んでいただきたい内容。と、僕は思います。
参考:
送信時には厳格で、受信時には寛大であるべし(小林Scrap Bookさん)
勝手なトラックバック?(あれとかこれとか (Lefty)さん)
トラックバックに関する雑感2(むだづかいにっき♂さん)
逆リンク:
ブログコミュニティか、ブログ《ムラ》か?(VANILLACHIPSさん)
トラックバック技術仕様(英文):
TrackBack Technical Specification(Six Apart)
関連記事:マナーを語るマナー
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Comments
まぁ、宣伝TBと思われないためには、リンクのない(もちろん関連はしている)TBの場合は、報告があったほうが、相手にとっては好ましいとは思う。
「すちゃらかな日常 松岡美樹」の松岡さんが行った議論の呼びかけTBは、そうしたから受け入れられたと思うし。
ところでhappy*2のひとは、僕のTB削除したのね。
彼女にとっては「反対意見が気に入らない」のでしょうけど、なんだかなぁ・・・
>けど、現実世界に照らし合わせれば、ゆゆのが常識。
↑こういう人が「ブログ」をつまらなくしていると思う。当方の記事でも書きましたが、オフの常識とオンの常識は絶対に違うと思う。
Posted by: えっけん | June 10, 2005 04:53 PM
わたしは「Happy? Happy!」さんがそう考えていて、それを守りたいなら、それでいいんではないかと思う。
ただ、わたしの感覚との相違を感じるだけで。
感覚の個人差というものの存在を認めるということも必要かな、と。
大事なことは、誰かが言ってるからこうってことじゃなくて、「自分はどう考えるか」ってことなんではないかと思うので。
「初めてのトラックバック」は、そうした議論に惑わされずに、じゃあ自分はどう思うのかって、
そういうこと喚起したくて書いたようなとこ、ありました。
評価を、ありがとう。
そうかあと思って、ピックアップに入れました。
Posted by: S嬢 | June 10, 2005 05:25 PM
>わたしは「Happy? Happy!」さんがそう考えていて、それを守りたいなら、それでいいんではないかと思う。
アリかナシかで言えば、もちろんアリでしょう。
ただ、賛同意見のみを受け付ける事をコミュニケーションと考えているのなら、ブログというツールを使うメリットをずいぶんと狭めているなぁ、と僕は思います。
「ホームページ」の延長なのでしょうが。
>大事なことは、誰かが言ってるからこうってことじゃなくて、「自分はどう考えるか」ってことなんではないかと思うので。
これは僕も同じ事を考えていますね。
持論を補強するための他人の意見の持ち出しはいいけど、安易に人のいっていることを鵜呑みにして欲しくないな、と。
Posted by: えっけん | June 10, 2005 05:52 PM
えっけんさん
>松岡さんが行った議論の呼びかけTBは、そうしたから受け入れられたと思うし。
そうですね。 でも端から見てて「大変そうだなー。」と思いました。 まあ、トラブルを未然に防ぐための最大の努力の「お手本」を示されたようで少し感動いたしました。
>ところでhappy*2のひとは、僕のTB削除したのね。
残念ながら……。 たぶん、僕のも削除されるでしょう。
>>けど、現実世界に照らし合わせれば、ゆゆのが常識。
>
>↑こういう人が「ブログ」をつまらなくしていると思う。
この五十嵐冬耶さんの発言部分、私も指摘しようと思ったのですが、本文ぢゃなかったので控えてました。
つまらなくしているかどうかは置いといて、「通知」は現実社会でも普通に行われていることなので、ことさら、「現実世界の常識」を持ち出されても困るなあ。というのが率直な感想です。
きっと、電報とか合否通知とかの類を受け取ったことのない方(かた)なのかもしれませんね。 突然の人事異動の通達とか。(笑)
>オフの常識とオンの常識は絶対に違うと思う。
違うとも言えますし、同じとも言えます。 うーん、やっぱり「違う」かな。 ブログ・ブームによって、オンラインの常識をよく知らない方達が大量に流入してきて、現実のルールやマナーとのギャップに混乱している。 そんな状況でしょうか。 (良い悪いは別にして、です。)
・・・
S嬢さん
>「Happy? Happy!」さんがそう考えていて、それを守りたいなら、それでいいんではないかと思う。
私も、「それでいい。」と思います。
>評価を、ありがとう。
>そうかあと思って、ピックアップに入れました。
あの記事「初めてのトラックバック」は、ピックアップの一覧に追加するといいに。と、思ってました。 とても良い記事ですよ。 でわでわ。
Posted by: TAKO | June 10, 2005 06:41 PM
どうもうちにTBされていたので覗いてみました。
ずいぶん、議論されていますね。
多分、こっちの世界の人には通用しないし、私みたいな感覚の持ち主はブログだけではなく、ネットそのものをやめるべきなのかな~とも思いますけどね。
「私のブログ内ではこうしておきたい」というだけですから、他のブロガーさんには何ら影響はないものだとも思いますが…。
ただ、ちっぽけなブログのものをここまでゴチャゴチャ持ち出されるのは気持ちのいいものではありませんね。
いろんな意味で勉強にはなりました。
Posted by: ゆゆ | June 11, 2005 02:30 PM
>ゆゆさん
やめる必要は全くないと思うし、僕らは「一般的なブログ/TBのルール」を述べているに過ぎません。
現実的にゆゆさんのような考え方の人が増えてきている事に、TBの危機感を感じているので、僕は「それは違うだろ」という意味をもって取り上げたに過ぎません。(「トラックバック」のブログ検索結果をRSS配信しているものから、気になったものをピックアップしているのです)
>ちっぽけなブログのものをここまでゴチャゴチャ持ち出されるのは気持ちのいいものではありませんね
これも同じで、ネットと言う公の場に公開している以上、どんなブログでどんな事を書いていても、批評の対象にはなるんです。批評の対象になるのを避けたいのであれば、そうしやすいシステムもあるわけでして。
Posted by: えっけん | June 13, 2005 07:53 AM
ゆゆさん
ようこそ反論の場へおいでくださいました。
>私みたいな感覚の持ち主はブログだけではなく、ネットそのものをやめるべきなのかな~とも思いますけどね。
「やめるべきなのかな~」とは、チト極端ですね。
>ちっぽけなブログのものをここまでゴチャゴチャ持ち出されるのは気持ちのいいものではありませんね。
ブログの規模は関係ありません。 規模の大小から見ると、当ぽんすブログは小さいほうだと思います。
また、「ゴチャゴチャ」という言葉は少し失礼かな、と思いますよ? マナーを大切になさっておられる、ゆゆさんらしくない表現なのではありませんか。
何か意見を表明すると、それについて賛否両論が発生します。
これはブログに限った話ではなく Webサイト全般に言えることですけど、特にブログは、ネット上に公開された意見に対して異論・反論を書かれてトラックバックを受けたり、他所で取りあげられて賛成・反対の遣り取りが行われたりしがちです。
つまり、ブログは、「反論しやすい/意見されやすい」ということです。 もちろん、意見への反論が全てではありませんが、ブログにはイヤな面もあるし、ハッピーだけぢゃないことをご理解いただけたら幸いです。
>いろんな意味で勉強にはなりました。
僕も勉強中です。
先方の記事のゆゆさんのコメント↓について
>気づかないところでバシバシ反論盛り上がってるよ~(笑)。
トラバ送信した時点で、「気づかないところ」ではなくなっていると思います。 ですが、こちらからのトラバが削除された今となっては、これ以上ゆゆさんのご発言を取りあげても仕方ないかな、と思ってます。
・・・
えっけんさん
>現実的にゆゆさんのような考え方の人が増えてきている事に、TBの危機感を感じている
ブログは本当に、「誰でも、気軽に」始められますからね。 それは良いとして、すべてのトラバを十把一絡げに「宣伝行為だ」と決めつける人が増えると、今後ますますトラバが打ちにくくなると思います。 (僕は送信しますけど。)
>どんなブログでどんな事を書いていても、批評の対象にはなるんです。
おっしゃる通りでしょう。 ですが、批評に対する覚悟のないまま運営されてる方々も多いようです。 うーん、どうなんでしょ? 「そっとしておいて欲しいのなら、当たり障りのない記事を書いてくれ。」と思ったりもしますし、「やっぱり相手を選んでから言及すべきなのかな。」とも思うし。 トラバ送信側がある程度、いや、必要以上に気を遣わないとダメなんでしょうかね? 受け取り側の問題も少しはあると思うのですが……。
このまま進んで行くと、「キーワードで合致した自称関連記事へのトラバを平気で乱射する人達」=多数派と、「まず他者の記事を読んで、それについての言及記事を書いてトラバ送信する人達」=少数派に、二分してしまうのかも!?
で、少数派の中でも、必要以上に気を遣いすぎた結果、「トラバは面倒くさいから、やーめた。」という人達とか、コメントを併用して無難な路線を歩む人達とかに派生していくのでしょうか。
心配しすぎ?(笑) でわでわ。
Posted by: TAKO | June 13, 2005 07:08 PM